2015年10月2日金曜日

沖縄遠征特別篇 ~金箔の妖精・聖なる輝き~ 前編

 9月19日に沖縄入りしたSは「虫処」に在籍していながらも実は虫より魚(日本淡水魚)の方が好きである。大学構内で普通に見られるアカハライモリに恋したSを沖縄まで飛ばした理由、それは沖縄にしかいないシリケンイモリである。シリケンイモリとは、奄美諸島や沖縄諸島にしかいないイモリで、本州等にいるアカハライモリと違い、背中に金箔をまぶしたような模様が出る個体がある。模様の程度は個体によりさまざまである。今回はその金箔が背中一面に出ているような美麗種を捕りに行こうという目的だ。虫処は、虫以外の生き物が好きだとしても(Sは虫に興味がないわけではない、どちらかといえば魚の方というだけ)在籍可能であるし、活動していくこともできるのだ。

 ただ、集中講義の関係で静岡後発組は19日の夜に宿へ到着したものの、軽自動車1台に対し宿にいた部員を含め5人の搭乗者になってしまうので活動を翌日まで焦らした。

20日、愛するグーグルマップとにらめっこし、池や水辺をめぐる組と他のフィールドで採集する組と別れ、行動開始。


最初の小池に到着。水の色がオレンジに近い…いやでも小魚がたくさんいるし、森も近い、池に注ぐ用水路もある!釣具屋で購入した400円の小型タモ網と800円で購入した麦わらをかぶり捜索。
...ミズスマシみたいなのとティラピアっぽいのはいたがイモリの気配なし。

S、Y氏「場所変えるか」→I氏「あ、待ってください、ハンミョウが...あれ?どこ行った?(捜索)」→数分後、S,Y氏「...そろそろ行かない?」→I氏「(無言)」→S,Y氏「先車行ってるから」
採集中あるある。急かしてすまなかった、I氏よ。

その後、いったんビーチへ行き、別の水辺へ。


到着してみるも、三面コンクリ護岸の深さ2㍍くらい、幅1.7㍍ほどの水路にわずかに水が流れているだけ。...しかし水路のちょっとしたくぼみの水たまりなどにイモリはいるのではないかと水路へジャンプ!あったあった、落葉が溜まっているくぼみが!!近づくと何やらうごめく影。網を入れてみると...

オオヨシノボリ

一度のガサガサで捕れた



Wow!なんとヨシノボリがたくさんいる!胸鰭の模様からオオヨシノボリかな?
という感じ。コンクリートの川底にはほとんど砂や砂利はなく、ところどころに石がある程度。それらをひっくり返すとたいていヨシノボリが出てくる。なんなんだ沖縄!こんなコンクリの水路にまで魚影が濃いなんてポテンシャル高いな!!テンション上がるSとI氏。そして、石の下にイモリはいないかと捜索を続けると...

オオウナギの子ども
重なった石から細長いものが伸びている。S「あれ?オオウナギじゃね?笑」
I氏と共同戦線を張り捕らえたのはまさしくオオウナギ。日本人が食いまくっているニホンウナギとは違う種で、温暖な地域を好み琉球列島には数多く生息しているとされている。こんな簡単に見つかるとは...コンクリ三面護岸で水量ほとんどないのにオオウナギまでいるとは沖縄やはりポテンシャルが高い!
 さらに水路を下流へ向かって捜索を続けると砂防ダムらしきもので行き止まりとなってしまった。しかしその向こうにはなんといい感じの水辺が...だがダムは3㍍ほどの高さがあり、とてもじゃないが降りていけない。I氏が川から出ようとするも、高さ2㍍のコンクリの壁は足がかりはあるが滑って登れない。あれ?これやばくない?S、Y氏、I氏沖縄の人気のない水路で立ち往生。しかけたが壁の高さが低いとこを見つけ出しなんとか脱出。イモリは見つからず。

昼飯を食べようということになり、肉を食べたいという意見から、ステーキハウスへ。ランチセット頼んだらステーキハウスのくせにほとんど揚げ物じゃねーか!とランチセットを頼んだSとY氏は苦笑い。うまかったけど。その間I氏は「こういうときにお金を惜しまない」と突如グルメな人と化し、うまそうなステーキをほおばりご満悦。しかしあとから調べると沖縄は揚げ物も主食みたいな感じだからS,Y氏が口にしたのは「沖縄料理」ということにし自信を納得させた。
 
 Y氏が夜にオキマル流しをするというので、Sはそれに同行し林道脇の用水路でよさそうなポイントがあればイモリを探す流れになった。途中、マッ〇スバリュへ立ち寄り夕飯を購入。



かおりちゃんかわいいな。とほっこりした気分でいると!!マグロの口に!!アユが!!何やってんだこの店の人は...このアユは岐阜県産だった。沖縄...

 さて、日が暮れる前にY氏がオキマルポイントへ移動し、仮眠することになったが、Sはなんとなく落ち着かず林道の側溝捜索へ。この日、イモリのイの字もまだ見ていない。しかし側溝には土砂が溜まり、湿ってはいるものの水が溜まっているような場所はない。これは望み薄かと思いながらも石や倒木の裏側を探した。日は暮れかけあたりは薄暗い。ある倒木をひっくり返したときのこと。暗くてよくわからないが黒い何かが動いている。高まる鼓動。軍手越しにつかんだそれは、やわらかかった。
 
オキナワシリケンイモリ


キタキタキター!!ついに一匹目を見つけたよ!!背中にそんなに多くはないが金箔出てる!
この後オキマル流しを始め、ケナガネズミに会ったりしながら側溝の水たまりを探すと...
お!よさげなとこが!ライトで照らすとイモリがいる!タモ網ですくうとこの水たまりには計3匹のイモリがいて、うち1匹は背中にラインの走る個体!残りは腹がぶよぶよのおデブちゃんと中肉中背の特に特徴のない個体だった。
ラインのある個体
この日は結局これらのイモリ以外は見つけられず、(オキマルもボーズ)夜4時ごろ宿へ戻った。
イモリは見つかったものの金箔が背中前面に出た個体は見つけられなかった。
とりあえず寝た。後編へ続く。


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